性病の種類・症状について
性病とは
性病とは別名「STD」(セクシュアリー・トランスミテッド・ディジーズ)と呼ばれており、性的なものによって感染する病気のことを言います。一般的に避妊薬やコンドームなどをしっかりと使用していれば問題はないと考えられがちなのですが、必ずしもそうとは言い切れません。また、「本番行為」が無ければうつらないとも思われがちですが、そうでもありません。 現在日本国内では、性病の感染者数が約600万人とも言われており、1年間に約60万人もの人が性病に感染していると推定されています。 その原因の多くは風俗店でうつされることが多く、また、性病は人によっては自覚症状がないこともあるため、そのまま知らずに配偶者にうつしてしまうという事例も少なくありません。 女性が性病にかかってしまうと、最悪の場合、それが「不妊症」の原因になってしまったり、「子宮頸がん」に繋がることもあります。大切なパートナーに何かある前に性病に関して正しい知識をつけ、何かあれば相談、検査、治療をできるだけ早く行ってください。
※当院は駅近のため豊中市だけではなく、大阪市内からも多数来院して頂いております。
性病の種類
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クラミジア
現在、性感染症の中で一番感染率が高い病気になっており、感染率も5割とかなり高いのが特徴です。 感染経路としては性行為や感染したタオルやハンカチなどでも感染する可能性があります。クラミジアの病原菌は細胞編性寄生細菌と呼ばれ、体内に入り込んだら自ら次々と繁殖していきます。 この病気は性器セックスでの感染の場合、自覚症状がほとんど出ませんので、放置されたり、知らずに交際相手や配偶者に移してしますことがよくあります。また、オーラルセックスなどにより、のどに感染した場合は、のどの腫れや痛み、発熱などの症状が見られます。
クラミジアの症状
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男性の症状
- 尿道のかゆみ、熱っぽさがある
- 頻尿になる
- 排尿時に軽い痛みが生じる
- ペニスの開口部が赤く腫れる
- 尿道から粘り気のある黄色い膿が出る
- 精巣上体の腫れ
- 発熱や激しい痛みがある
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女性の症状
- 基本的に自覚症状がなく分かりにくい
- 不正の出血がある
- おりものが増加する
- 下腹部が性交時に痛む
クラミジアの治療方法
男女ともにテトラサイクリン系、マクロライド系の抗生物質の薬剤を投与致します。服用期間としては、1日~1週間になっております。
淋病
淋病は梅毒と並んで、代表的な性感染症の一つで、日光や乾燥に非常に弱い菌です。そのため、感染経路としては、ほとんどが性行為で感染することが多く、また、オーラルセックスやキスで口に感染することもあります。まれに風呂場や便器から感染することもあります。 潜伏期間は3~7日ですので、自覚症状も出やすく比較的に早期発見が可能な病気です。ちなみに女性の場合は男性よりは症状が出るのに少し時間がかかることが多いです。
淋病の症状
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男性の症状
- 尿道のかゆみ、熱っぽさがある
- 頻尿になる
- 排尿時に痛みが生じる
- ペニスの開口部が赤く腫れる
- 尿道から粘り気のある黄色い膿が出る
- 精巣上体の腫れ
- 発熱や激しい痛みがある
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女性の症状
- 不正の出血がある
- 黄緑色や悪臭を伴うおりものが増加する
- 下腹部が性交時に痛みがある
- 排尿時に痛みがある
- 頻尿になる
- 残尿感を感じる
淋病の治療方法
セフェム系やペニシリン系の抗生物質、ニューキノロン系の抗菌剤の薬剤を投与します。服用期間はおおよそ2週間ほどして頂きます。
梅毒
梅毒は昔、不治の病として恐れられていた怖い病気でした。しかし、実際病原菌事態は非常に弱い菌で、現在では早期発見できればペニシリンなどの薬で完治することが可能になりました。 感染経路としては、皮膚や粘膜の小さな傷から病原菌が侵入して血液から全体に広がっていきます。基本的には性行為による感染で、特に多いのが、アナルセックスでの感染になります。また、口に菌が存在する場合はキスでも感染することがあります。 梅毒に感染すると、症状が「3週間後」「3ヵ月後」「3年後」と変わってきます。人によっては症状が出ない場合があるため、注意することが必要になってきます。ちなみに梅毒感染中に妊娠した場合は、母子感染を引き起こす可能性があり、早産や死産などにつながることもあります。ただ、妊娠検診の際に早期発見することが多く、早い段階で治療されるため、今では母子感染はほぼないと言われています。
梅毒の症状
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第一期
梅毒感染してから約3週間後
(1)痛みのないところにしこりができる
(2)痛みのないリンパ節が腫れてきます
感染した皮膚や粘膜などの部位(性器、口、肛門、指など)に、しこりができます。
ふとももの付け根の部分が腫れてきます。これらの症状は放置しておくと2~4週間ほどでなくなります。また、女性に関しては気づかない場合がほとんどです。 -
第二期
梅毒感染してから約3ヵ月後
(3)円形型のピンク色のあざができます
病原菌が血液に入り、全身に広がり、顔や手足にあざができます。(4)赤茶色のブツブツができます
半径5m~1cmほどの大きさもブツブツができます。(5)脱毛症状
※3ヶ月~3年の幅で症状が続き、その後自然に消えて症状が出ない期間に入ります。 -
第三期
梅毒感染してから約3年後
(6)大き目のしこりができる
皮下組織にゴム腫などと言われる大き目のしこりができます。このしこりは組織を破壊し、治るとあとが残ります。※現在ではこの症状はほとんど見られません -
第四期
梅毒末期症状
(7)心臓、血管、目、脳などに重い症状が現れる
関節炎や手足の感覚が喪失。末期状態を放置しておくとやがて死に至ります。※現在ではこの症状はほとんど見られません。
梅毒の治療方法
ペニシリン系の抗生物質を2~3週間内服します。
コンジローマ
コンジローマは性器や肛門周辺にニワトリのトサカもしくは、乳頭のようなイボができる病気です。治療を行っても再発することが多く、3ヶ月以内に約25%の人が再発すると言われています。そのため、できたイボなどを切除する外科的手術を行っても、ウイルス自体を完全に取り除くことは難しくなっています。 感染経路としてもセックスやオーラルセックス等の性行為によって感染します。稀に皮ふや粘膜の傷口から感染することもあります。 この病気に関しては潜伏期間が3週間~8ヶ月と潜伏期間が長い場合もあるため、パートナーと同時に感染していることが多く、その時に感染していなくても、数ヶ月たってから症状が出てくるということがあります。口に感染すると口腔癌の原因にもなりますので十分な注意が必要です。 コンジローマの根本的な原因は不衛生からきていると言われているため、包茎の人に発病する可能性が多いです。
コンジローマの症状
男女共通の症状
- 性器や肛門の周辺に「カリフラワー」「ニワトリのとさか」「乳頭状」の形をしたピンク・赤系のイボができる。
- 炎症を起こすとかゆみや痛みを生じます。
- 進行するとイボが大きくなり、数も増えていきます。※基本的に自覚症状があまり見られない病気です。
コンジローマの治療方法
外科的切除手術やレーザーなどでイボを取り除きます。
性器ヘルペス
ヘルペスには口唇や顔など上半身に症状がでる1型の「口唇ヘルペス」と下半身に症状が出る2型の「性器ヘルペス」が存在します。 感染経路としてはあらゆる性行為から感染する可能性がありますので、口唇にヘルペスの症状が出ているときにはオーラルセックスは避けましょう。 女性の場合、水泡のようなものができて、それが破れ、ただれたような状態になります。そのため、排尿ができないぐらい激しい痛みを引き起こすことになります。症状を抑える治療を行うことは可能ですが、ウイルスを完全に死滅させえることはできません。頻繁に再発をしてしまう人に対してはそれを抑える治療を行っています。
性器ヘルペスの症状
男女共通の症状
- 発症当初は感染箇所の表面に軽い痛みやかゆみが出る
- 歩いているときに痛みを感じる
- 性器に水泡や潰瘍ができる
- 排尿時に痛みを生じる
- 太もものリンパ節が痛くなったり腫れたりする
- 発熱を生じることがある※初めて感染した女性は排尿ができないほど激し痛みを感じます。
性器ヘルペスの治療方法
アシクロビルやバラシクロビルを内服致します。内服期間は約5日間ほどになっております。
トリコモナス
膣トリコモナスとは原虫(ゾウリムシのようなもの)が性器内に入り込み炎症を起こして発症します。主にはセックスによる性行為で感染することが多いです。ただ、下着やタオル、便器、浴槽などで感染する可能性もあるので、性行為の経験がない女性や幼児でも感染することがあります。男性の場合は尿道への感染であれば、排尿によって洗い流されることがあります。
トリコモナスの症状
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男性の症状
- 尿道から膿がでる
- 排尿時に軽い痛みを生じる
- 頻尿になる
- 性器に痒みや熱っぽさ、違和感を感じる
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女性の症状
- 悪臭の強い泡状のおりものが増加する
- 黄色や黄緑色、乳白色の濁った水のようなおりものができる
- 膣や外陰部に強い痛みや痒みを生じる
トリコモナスの治療方法
男性はメトロニダゾールの内服を約10日間します。女性の場合はそれプラス膣剤を併用することもあります。
性器カンジタ
性器カンジタはもともと直腸や口腔内、皮膚に常在しているカビの一種です。清潔にしていれば性行為等から女性から男性に感染することはほぼないです。感染したとしても、男性はあまり症状が見られることはありませんが、包茎の人に関しては女性同等にかゆみなどの症状が現れることがあります。 この病気は免疫力が低下しているときに増殖して、発病しやすい病気になっており、女性に多い病気となっています。
性器カンジタの症状
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男性の症状
- 亀頭にかゆみが生じる
- 亀頭が赤くなり、白いカスが出る
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女性の症状
- 膣や外陰部がかゆくなる
- 排尿時に痛みを生じる
- 性器に痛みや熱っぽさを生じる
- 性交時に痛みを生じる
- ヨーグルト状のおりものが増加する
性器カンジタの治療方法
抗真菌剤の膣剤や軟膏を塗布します。約1日2~3を1~2週間続けて頂きます。
毛じらみ
毛じらみは陰毛の根元の部分に寄生して、人の血を吸って生存しています。体調は1・5ミリほどですので、肉眼で確認できる大きさです。成虫になってから死ぬまでが1ヶ月のサイクルで、その期間に30~40個の卵を産み、1週間ほどでかえります。 感染経路としては、陰毛どうしの接触が主な経路ですが、わき毛や胸毛、太ももの毛などにも寄生することがあります。 性行為以外にも、下着やタオルや毛布などを介して、感染することもあります。
毛じらみの症状
男女共通の症状
- 感染した部位に激しいかゆみが生じます
- 下着に点状の黒色のしみができる※何も感じない方もおられます
毛じらみの治療方法
剃毛も効果的ですが、完全な剃毛は不可能です。シラミ駆除剤のスミスリンで患部の洗浄を約2週間ほど行って頂きます。
エイズ(HIV)
HIV=エイズではなく、HIVが体内に入り、約数十年かけてエイズが発症することがあります。HIVは血液・精液・膣分泌液・母乳からしか感染はしません。空気に触れると感染力は一気になくなってしまします。感染経路としては、主に「性行為による感染」「血液による感染」「母子感染」の3つがあります。エイズが発症すると免疫力が低下し、今までなんともなかったウイルスや菌にも負けてしまい、死に至ることもある非常に恐ろしい病気です。 現在では早期発見・早期治療を行えば、発症を遅らせたり、発症する可能性を下げる薬も出ていますが、完治させることはできません。
エイズ(HIV)の症状
男女共通の症状
- 感染初期 感染して2~4週で発熱・のどの痛み・筋肉痛・風邪やインフルエンザに似た症状がでるときがあります。
- 無症候期 初期の症状は数週間でなくなり、そこから全く症状のない期間が約5年~10年程度続きます。 ただ、1年~2年以内にエイズを発症する場合や長期間発症しない場合といったように期間には個人差があります。この期間にも免疫力は少しずつ低下していきます。(人によっては帯状疱疹と呼ばれる小さな水膨れが体の左右のどちらかにたくさんできます。)
- エイズ発症期 免疫力がさらに低下してくると、「下痢やひどい寝汗」「急激な体重減少」「免疫機能の激しい低下」が起こり、様々な病気を引き起こします。これらの病気がエイズ指標疾患に当てはまればエイズの発症と診断されます。 ※基本的に上記の流れは何も治療を行わなかったときの流れになります。 HIVに感染していても、早期発見・早期治療を行えば、発症を遅らせることが可能になっています。
エイズ(HIV)の治療方法
抗HIV薬を3~4種類用いて治療を行っていきます。
性病の症状
※この他にも個人によって症状がことなってきますので、性病の疑いを感じた方は早めに相談、検査をするようにしてください。
大阪府豊中市 きうら泌尿器科